●313 野遊び のあそび 〇かげろうもゆるはるののべに

 表題:野遊び
 読み:のあそび

 収録:(A)大特撰樂譜 154 成樂會 1927(S.2).5.20 ◎[A2-59] Copy=[P62]
    (B)昭和樂譜 号数不明 成樂會 1929(4).9.15 ◎Copy=(P79)

 記譜:三部合唱(伴奏付き) ハ長調 2/4

 インチピット:ソ|ソラミファ|ソミドラ|ソラミファ|ソ

 曲:セーデルマン,ヨハン・アウグスト(Sodermann*, Johan August)(1832-1876)[スウェーデン]
 編曲:成樂會
 詞:犬童球渓 ※1927(S.2)作詞


[詞] ※(A)大特撰樂譜 154より

1.(春)
  陽炎(かげろふ)燃ゆる春の野邊に 遊ぶや胡蝶羽根もかろく
  霞はかゝる遠(をち)の山に 咲けりやさくら 雲かと
  いざいざ我友うらゝの此の日を 野べにやとくとく出でたて
  嗚呼夜半にや嵐の誘(さそ)はであるべき 我友とくとくいでたて
  人世(このよ)は僅か五十路(いそぢ)のほど 再び來(く)べき春やはある
  遊べやのべに春の一日(ひとひ) 我等を待てり花も鳥も花も鳥も
  「陽炎燃ゆる……」
  春の日よしや山に入るも 燈火とりてかへらん
  永き春日(はるび)と誰が云ひし

2.(秋)
  千草花咲く秋の野邊に 招くや尾花風にゆれて
  見渡す山は峯も谷も 紅葉そめたり 錦と
  いざいざ我友晴れたる此日を 野邊にやとくとくいでたて
  あゝゞ頼むに難きは明日の日和(ひより)よ 我友とくとく出でたて
  この世は僅か五十路のほど 再び來べき秋やはある
  遊べや野邊に秋の一と日 我らを待てり花やもみぢ花やもみぢ
  「千草花咲く秋ののべに……」
  秋の日よしや山に入るも もみぢかざしてかへらん
  小暗き径(みち)や明く照らす


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